朝食はいつもおじいちゃんとおかあさんと三人で食べる。普段は二人の同じ話を何度も聞かされてうんざりなのですが、今朝、おじいちゃんが昔見た映画の話を始めた。
「ミッキー・ルーニーが郵便配達人で、戦死の知らせをある家族に届けなければならなくて、ルーニーがその家族の家の前に行くと家族が明るい声で笑っているんだよ。気まずいからルーニーはその知らせを渡してすぐに玄関を後にすると、その後すぐ鳴き声が聞こえてきてね。ああっアメリカ人も同じなんだなあと思ったよ。」って涙声で語っていました。戦争中に少年だったおじいちゃんは「アメリカ人は犬畜生だ!」と教えこまれていていたから、戦争で愛する人を亡くした悲しみはどこも同じなんだって思ったのでしょう。そしてその場面が85歳を過ぎた今でも忘れられないようです。「なんていう映画だったの?」と聞くと、題名は覚えていない。(笑) ネットで検索してみたらたぶん「町の人気者(THE HUMAN COMEDY)」という1943年、日本では1947年公開のMGM作品に間違いない。おじいちゃんに見せたら「たぶん、そうだ!」と言っていました。アメリカではDVD発売になってるけど日本ではなさそう。字幕がないけど購入してその場面を見せてあげようかな。映画って作品全部思い出せなくても、深く記憶に刻まれたシーンがあったりするから不思議です。
