松本晋一のブログ 

松本晋一のワークショップの告知などをしています。

2022年03月

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今日で冬季準社員として勤めていたロープウェイの仕事が終わりました。我ながらよく頑張ったと思います。色々な思いが巡っていて何も言えませんが、今は途中で挫折しないでやり遂げたことでホッとしております。最後の職場は大好きな山麓線での勤務でしたが、あいにくの雨で、お客さんも少なかったのが残念。
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いろんな体験をさせてもらいましたが、毎日勤務先へ行くのにロープウェイに乗るというのも初体験でした。自分は山頂線と、3月からは山麓線の樹氷高原駅という、中間地点の駅に配属されたので、朝と夕方にロープウェイに乗りました。毎朝8時5分頃に無線テストの後に8時7分頃に従業員を乗せた試運転便が出ます。通常は7分程度で到着しますが、ワイヤーに雪や氷が付着した時などは30分かけて減速運転したこともありました。大雪の日、強風の日など、お客としては悪天候のロープウェイはあまり乗ったことがなかったので興味津々の毎日。自分はいつも進行方向後ろに陣取り毎日のように交差画像を撮影していました。同じロープウェイに毎日乗るというのもなかなかできない体験でした。数えたら、仕事で乗った山麓線は88往復で、1号車が79回、2号車が97回でした。

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明日がいよいよラストです・明日は山麓線の勤務になったので、山頂線での勤務は今日が最後になりました。最初の半月は必死で仕事を覚えました。山頂線の樹氷高原駅は、山麓線から上がってくる人たちと、ゲレンデから来る人たちが合流して混雑するところでして、ピーク時はスキーヤーたちと観光客が長蛇の列になり、その人たちを14人づつ手際よく安全に仕分けてゴンドラに乗せていく毎日でした。先輩方に話では、コロナ前はこんなもんじゃなかったというのですが、自分的には、ここで仕事できたらもうどこでも怖くないって感じでした。

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今日も山麓線(自分の好きな交走式のロープウェイ)の方の勤務でした。視界がいい日はこの樹氷高原駅からの眺めが最高で、駅で写真を撮るお客さんがいるのも理解できる。遠くに見える雪化粧をした山が月山(がっさん)だと、山に詳しい仕事仲間が教えてくれました。スキー場もあるみたいですが、ロープウェイはないみたいなので、自分は一生訪れることはなさそうです。ここでの勤務もあと二日です。

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今日は強風で山頂線はすぐに運休。その後自分が勤務していた山麓線も運休になりました。なので監視室で待機の一日。午後から霧は取れて視界は良くなったけど、相変わらずの強風で、途中で再度試運転しても、やっぱりダメでした。
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なので、しばしホームに出て佇んでいました。強風が駅舎の壁と屋根の隙間を通り抜けて、口笛のようにヒューヒューと音を奏でている。木々のざわめき、停まっている搬器が揺れてガタガタする音、鳥のさえずり、機械室のモーターは動いていないので器械音はしない。もうすぐこの場所ともお別れになると思うと、この運休の時間すら愛おしい。

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ホームに溜まった雪もすっかり溶けてコンクリートが見えてきた山麓線の樹氷高原駅。ロープウェイが好きな理由の一つにこの階段ホームがある。この美しさに気づいている人がどれぐらいるだろうか?階段だけなら美術館とか宝塚歌劇のフィナーレなど、いろんなところで見受けられるが、ロープウェイの駅は溝(ピット)がアクセントになっていてる。スパッとした切れ目の美しさと中央と左右のホームの階段のラインが合っているのも大事なポイントです。ここの山麓駅の方は、中央のプラットホームを平らにする為に後から改造したので、左右のホームと階段のラインが違ってしまったのが残念。もっともそんなことにこだわるお客さんはまずいない。バリアフリーという観点からは、この昭和に作られた階段ホームは不向きなので、もうあらたにこういうホームが作られる事はないでしょう。これから先、老朽化したロープウェイの設備自体をリニューアルされる事も多いでしょうから、階段ホームはいつか絶滅するのだと思います。

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